量子ビームとは、量子力学を利用した、近年大きな注目が集まる科学技術です。
私たちの生活は、量子力学の法則に則った量子エレクトロニクスという性質が使われることで、様々な恩恵を受けており、この性質をビームとして利用すれば、さらなる科学の躍進や、人々の生活向上へ結び付くだろうと捉えられています。その第一歩が、量子ビーム装置を開発するという本プロジェクトの取り組みなのです。
この量子ビーム装置を開発するにあたり、大きな課題と考えられるのが「高品質で大強度(大電流)の電子ビームを高いエネルギー効率で得られる」ようにすること。つまりは、性質を揃えた大きな光を用いることで、利用できる電子ビームもまた大きなエネルギーとなり、一層の研究しやすい状況が生まれていく、ということです。
このために最も有効な手段が、上記の条件を整備させる「超伝導高周波加速器」という機械装置。本研究開発では、その中でも鍵を握る「超伝導空洞」のテクノロジーを開発し、同時に「大強度で高品質な電子源」をも開発。さらにはこれらの技術の実用化に直結するためにレーザーを増幅させる「レーザーパルス蓄積技術」および、このレーザーと電子ビームと重ね合わせる「ビーム衝突技術」の研究も併せて進めていきます。
要素技術 | 開発キーポイント |
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電子源 | パルスレーザー、新フォトカソード、1msecパルス、高電圧直流電源 |
超伝導空洞 | 無欠陥・清浄表面、高精度電子ビーム溶接、高精度成形、無欠陥材料 |
レーザー蓄積 | 4枚ミラーリング光共振器 |
ビーム衝突技術 | 環境の安定化、高速フィードバック制御 |