小型高輝度光子ビーム源開発プロジェクトとは

キーワードかんたん解説

  1. 量子ビーム
    量子ビームとは、光子、イオン、電子、中性子、中間子、ニュートリノ等、ビームの一般的総称。加速器や高出力レーザー装置、原子炉等の施設から供給される種々の広範なビームを含む概念。量子力学に密接な関わりを持つ性質から、近年、他のビームとの区別をつけるために量子ビームという名称が付けられた。
  2. 高品質
    高品質とは、スピン(右巻き、左巻き)や飛ぶ方向など、使用目的に沿って意図通りの性質が整えられたビームの状態のこと。レーザーに電子ビームを衝突させてできるX線(量子ビーム)はレーザーの性質を受け継ぐため、その性質を揃えることが可能。精度を上げるべく本プロジェクトにて研究開発が進行中。
  3. 大強度(大電流)
    高品質であると共に、研究装置の高性能化を実現するために必須なのが、より大強度(大電流)な電子ビームを生成する点。
  4. 超伝導高周波加速器
    下記・超伝導空洞を使用。常伝導の高周波加速器と比較した場合、電力効率が著しく優れる。大強度のビームを加速するのに最も重要な装置。
  5. 超伝導空洞
    液体ヘリウムで絶対零度(-273.15℃)に近い状態へと設定できる空洞。空洞が冷されることで物質の抵抗がほぼなくなり、一度電流を流すとエネルギーロスがない状態で電流が流れ続ける。
  6. レーザーパルス蓄積技術
    パルス的に発信させ、同じ方向に向かうレーザーを、高反射率のミラーによる発信器の中に閉じ込め反射を繰り返させ、さらに次々とパルスを送り込む。これにより蓄積されたレーザーに、大強度の電子ビームを衝突させることで、大量のX線をつくることができる。世界最高峰と言われるレーザー蓄積装置は、KEKが5年の歳月をかけ完成させたもの。
  7. ビーム衝突技術
    レーザーパルス蓄積装置内部の電子レーザーは光速で移動する。光の塊であるレーザーも高反射率のミラーによって光速で反射。共に絞り込まれミクロンのサイズなため、タイミングも含め衝突させる難易度は高い。現在も衝突はしているが、その精度を上げることで、より効率的にX線をつくることができる。常に完全な衝突が実現できれば、さらに様々な応用が可能に。
  8. 軟X線、硬X線
    硬X線は原子の状態を見るのに適したX線。一方、軟X線はその原子が集まった状態を調べるのに適したX線と言える。空気中で硬X線が吸収されにくいのに対し、軟X線は吸収されやすいものの人体にも吸収されやすいという危険性を持つ。だが同時に人体の細胞を調べる道具として最も有効な方法ではある。
  9. 小型高輝度光子ビーム発生装置
    本プロジェクトに沿って、軟X線、硬X線の両X線を大量につくり出す装置。これにより、原子のミクロな状態、高分子におよぶ状態まで確認することができる。
  10. 創薬
    小型高輝度光子ビーム発生装置によって高分子状態を調べることができるため、人間のゲノム状態を的確に診断し、薬の作用も確認することができる。
  11. 医療診断
    医療に対しては、血管内の状態を見ることができ、またガン細胞など疾病の原因が小さい状態でも確認することが可能。
  12. 高輝度
    光の性質を評価する際に用いられる用語。一定の条件に基づき、量子的に特定される密度の濃い光を当て、望むものを鮮明に検出できる現象を指す。