小型高輝度光子ビーム発生装置の波及効果とは

無限の広がりを見せる小さな超実力派マシーン

現在稼働している放射光施設は、その巨大な規模と多大なコスト、低い電力効率から、世界でも数える程しか存在しません。そのため、研究や試験の機会が十分に提供されているとは言えず、また、技術やノウハウ流出を懸念する民間企業にとっては非常に利用しにくいという欠点がありました。

小型高輝度光子ビーム発生装置開発プロジェクトの研究で実現されるのは、加速器の大幅な小型化です。

東京ドーム球場の約30倍の敷地面積を要していた加速器施設と同等以上の性能を持つ装置の超伝導高周波加速器なら、わずか10メートル×6メートル。ちょうどバトミントンコートがすっぽり修まる程度までコンパクトに。これは、従来大型放射光施設でしか行えなかったポストゲノム時代の生命科学、ナノ超微細構造等、超精密マイクロリソグラフィ等の多種多様な研究・実践が、研究室レベルで行えるようになったことを意味します。また、病院での医療診断のため、この装置を導入することも可能になるのです。

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