基盤開発

超伝導空洞

1.3GHz超伝導高周波電子加速器技術を導入することにより、1msec電子ビームパルスまたは連続的に大強度電子ビームを安定加速できる。KEKが開発している30MV/m、9cell L-band超伝導高周波空洞を使用すれば1m長の小型電子ビーム加速器により、48000nC/pulse電子ビーム(48mA相当)または連続加速では100mA相当の電子ビーム加速が可能になる。ただし、大電力入力カプラの開発が非常に困難で、エネルギー回収技術(ERL)を取り入れることによって入力カプラの負担を軽減する必要がある。現状の技術では10mA相当の高品質大強度電子ビームをエネルギー2.5MeVまで小型加速器で加速できる。

パルス運転用超伝導加速空洞製作技術を高度化するために、表面処理条件を工夫した超伝導空洞を試作して、その性能測定を系統的に行うことによって、高性能超伝導空洞製作が行える条件を調べる。

このために超伝導空洞の内表面を高精度で検査できる装置や清浄な製作環境を保つ装置等を開発する必要がある。この空洞製作技術の系統的な開発研究を3年程度行うことによって、パルス超伝導加速空洞の製品化の見通しを得るのが目的であるが、初年度は表面処理に関する知見を得て、次年度から製作コスト削減方法の検討資料を作成することになる。